
雛人形と暦|大安・雨水・月遅れの言い伝え
雛人形を飾る日を決めようとすると、大安がいいという話、雨水の日がいいという話、地域によって時期が違うという話が出てきます。どれも聞いたことはあるけれど、根拠がよく分からない。この記事では、雛人形にまつわる暦の言い伝えを、由来までさかのぼって整理します。
この記事でわかること
- 大安に飾るという決まりはあるのか
- 雨水の日と良縁の言い伝え
- 暦の区切りで見る、飾る日と片付ける日
- 月遅れで祝う地域があること
- 一夜飾りを避ける理由
大安に飾らなければいけませんか?
雛人形を飾る日を六曜(ろくよう)で決めるという習わしはありません。大安でなくても、仏滅でも構いません。
大安・仏滅・友引といった六曜は、節句とは別の体系から来ています。六曜が日本で広く使われるようになったのは幕末から明治にかけてとされ、平安時代の上巳の祓えに遡るひな祭りとは出自が異なります。配送日やお届け日についても同じで、六曜を気にする必要はありません。
とはいえ、気持ちの区切りとして大安を選ばれる方はいらっしゃいます。決まりではないけれど、そうしたい方がそうするのは自然なことだと思います。
雨水の日に飾ると良縁に恵まれるというのは?
雨水(うすい)とは、二十四節気のひとつで、2月19日ごろを指します。降っていた雪が雨に変わり、氷が解けて水になる頃という意味です。
この日に雛人形を飾ると良縁に恵まれる、という言い伝えがあります。水は生命の源であり、古くから水の神さまが子授けや安産の信仰と結びついてきたことが背景にあるとされています。
これも決まりではなく、縁起をかつぐ言い伝えです。ただ、雨水は立春から半月ほど後で、飾るのにちょうどよい時期でもあります。目安としては理にかなっています。
暦の区切りで見る、飾る日と片付ける日
雛人形にまつわる日取りは、二十四節気(にじゅうしせっき)という古い暦の区切りに沿っています。
| 暦の区切り | 時期 | 雛人形との関わり |
|---|---|---|
| 立春(りっしゅん) | 2月4日ごろ | 暦の上での春の始まり。飾りはじめの目安 |
| 雨水(うすい) | 2月19日ごろ | 良縁の言い伝え。飾るのによい日とされる |
| 上巳(じょうし) ※二十四節気ではなく五節句 |
3月3日 | 五節句のひとつ。ひな祭り当日 |
| 啓蟄(けいちつ) | 3月5〜6日ごろ | 冬ごもりの虫が出てくる頃。片付けの目安 |
実際にいつ出していつしまうか、片付けの手順については雛人形はいつ飾る?いつしまう?で詳しくご説明しています。
月遅れで祝う地域があります
ひな祭りを4月3日に祝う地域があります。東北・北陸・信越の一部などで、これを「月遅れ」と呼びます。
明治のはじめに暦が旧暦から新暦へ切り替わったとき、季節の感覚と行事の日付がずれました。3月3日はまだ雪深く、桃も咲いていない。そこで一か月遅らせて、季節に合った時期に祝うようになったのが月遅れです。
月遅れの地域では、飾りはじめも片付けもそのまま一か月後ろにずれます。ご実家とお住まいの地域が違う場合、どちらに合わせるかはご家族で決めていただいて構いません。
一夜飾りを避けるのはなぜですか?
一夜飾りとは、3月2日に飾って翌日に迎えることを指します。お葬式の準備を連想させることや、迎える支度が慌ただしいことから、避けるものとされてきました。
縁起の問題であると同時に、実際的な話でもあります。人形を出して並べ、小物の位置を確かめるには時間がかかります。少なくとも1週間、できれば2月半ばまでには飾り終えると、当日をゆっくり迎えられます。
よくある質問
節分の前に飾ってもいいですか?
立春より前に飾ることを禁じる決まりはありません。ただ、節分は厄を払う日で、その翌日から春が始まるという区切りがあります。厄を払ってから飾る、と考えると立春からが自然です。
仏滅に届いてしまいました
問題ありません。お届け日も飾る日も、六曜とは関係がありません。
旧暦の3月3日はいつですか?
年によって変わり、新暦の3月下旬から4月中旬ごろにあたります。旧暦そのものに合わせる地域は少なく、多くは4月3日という固定の月遅れで祝います。
二人目の子のお雛様も同じ日に飾りますか?
同じ日で構いません。姉妹それぞれにお雛様をご用意されるご家庭も多く、並べて飾っていただけます。
片付けが遅れると婚期が遅れるというのは本当ですか?
根拠のある話ではありません。片付けをきちんとするというしつけの言い伝えとされています。ただし湿気は人形の大敵なので、よく晴れて乾いた日を選ぶことには理由があります。
まとめ
雛人形の日取りは、六曜ではなく二十四節気に沿っています。立春から飾り、雨水は縁起のよい日とされ、啓蟄が片付けの目安。地域によっては一か月遅れで祝います。どれも守らなければならない決まりではありませんが、由来を知っておくと、毎年の飾り付けに小さな手がかりが増えます。
今年の日取りを決めるときに
- 立春(2月4日ごろ)を過ぎているか
- 雨水(2月19日ごろ)に合わせるかどうか
- 3月2日の一夜飾りになっていないか
- ご実家の地域が月遅れかどうか
- 片付けの日は、晴れて乾いた日を選ぶ
工房ひな雛は、埼玉県さいたま市の木目込み雛人形の専門工房です。人形・飾り台・屏風・雪洞・お花・小物まで、すべて自社で製作しております。
五月人形は姉妹ブランド 工房真 で承っております。


