コンテンツへスキップ

カート

カートが空です

記事: 江戸木目込人形のはじまり|柳の木と端切れから生まれた技法

木目込み雛人形 工房ひな雛
伝統的工芸品

江戸木目込人形のはじまり|柳の木と端切れから生まれた技法

木目込み人形は、神社の神官に仕えた一人の男性が、余った柳の木と衣裳の端切れで作りはじめたものでした。いまから約290年前のことです。この記事では、木目込み人形がどこでどう生まれ、なぜ「江戸木目込人形」と呼ばれるようになったのかをご説明します。

この記事でわかること

  1. 木目込み人形が生まれた年代と場所
  2. 柳人形・加茂人形という古い呼び名
  3. 「木目込み」という言葉の意味
  4. 江戸に伝わり伝統的工芸品になるまで
  5. 人形のまち岩槻との関わり

木目込み人形は、京都の神社で生まれました

木目込み人形の始まりは、元文年間(1736〜41年)の京都とされています。上賀茂神社(上加茂神社とも表記します)の神官に仕えていた高橋忠重という人物が、祭りの道具を作った残りの柳の木で人形の原型を彫り、そこに神官の衣裳の端切れを決め込んで楽しんだのが最初と伝えられています。

注文を受けて作られた商品ではなく、余った材料でこしらえた手すさびでした。本業のかたわらの手仕事から始まったという出発点は、いまも木目込み人形の性格に残っているように思います。

はじめは「柳人形」「加茂人形」と呼ばれていました

加茂川のほとりの柳の木で作られたことから、当初は柳人形・加茂人形・加茂川人形などと呼ばれていました。「木目込み」という呼び名が定着するのは、後のことです。

小さく、丸みがあり、衣裳が胴体に沿っている。いまの木目込み人形の姿は、この最初の一体からほとんど変わっていません。

「木目込み」とはどういう意味ですか?

木目込みとは、人形の胴体に彫った溝に布の端を押し込んで(決め込んで)衣裳を着せる技法のことです。「決め込む」が転じて「木目込む」と書かれるようになりました。

よく尋ねられるのですが、木目込みの「木目」は木の年輪のことではありません。溝に布を決め込む技法を指す言葉です。飾り台の木目とは関係がありません。

布を仕立てて着せる衣装着雛人形との違いについては、木目込み雛人形と衣装着雛人形の違いとは?で詳しくご説明しています。

江戸に伝わり、「江戸木目込人形」になりました

京都で生まれた技法は、やがて江戸に伝わります。江戸の人形師たちの手で洗練され、独自の様式を持つようになったものが江戸木目込人形です。

江戸木目込人形は、昭和53年(1978年)2月6日に国の伝統的工芸品に指定されました。昭和57年には東京都の伝統工芸品にも指定されています。

人形のまち岩槻との関わり

埼玉県さいたま市の岩槻は、江戸木目込人形と岩槻人形という二つの伝統的工芸品を持つ産地です。桐の産地であったことが、人形づくりと深く結びついています。

木目込み人形の胴体には桐塑(とうそ)を使います。桐の粉と正麩糊(しょうふのり)を練り合わせたもので、桐箪笥づくりで出る桐の粉が、そのまま人形の材料になりました。産地の成り立ちについては岩槻ってどんな場所?をご覧ください。

いまの木目込み人形に、どう受け継がれていますか

柳の木は桐塑に、神官の衣裳の端切れは京友禅や金襴、帯地に変わりました。けれど、胴体に溝を彫り、布の端を決め込むという一点は290年前と同じです。

工房ひな雛では、桐塑の成形から胡粉(ごふん)塗り、筋彫り、木目込み、お顔の仕上げまでを自社の工房で行っています。制作工程は製法へのこだわりでご覧いただけます。

よくある質問

木目込み人形と江戸木目込人形は違うものですか?

技法としては同じ木目込みです。そのうち、江戸に伝わって発展した様式で、指定された産地・技術・材料の条件を満たすものが「江戸木目込人形」として国の伝統的工芸品に認められています。

いまも柳の木で作っているのですか?

現在の胴体は桐塑が主流です。柳は最初の一体に使われた材で、その後、細工がしやすく軽い桐塑に置き換わりました。

どのくらい持ちますか?

湿気を避けて保管いただければ、何十年と飾っていただけます。工房ひな雛でお求めいただいた品は、お顔の交換や小物の補充などのご相談を承っております。アフターサポートをご覧ください。

伝統的工芸品の指定を受けた雛人形はどれですか?

工房ひな雛の伝統的工芸品のコレクションにまとめております。指定の意味については伝統的工芸品についてをご覧ください。

まとめ

木目込み人形は、元文年間の京都・上賀茂神社で、余った柳の木と衣裳の端切れから生まれました。柳人形・加茂人形と呼ばれたその技法が江戸に伝わり、昭和53年に国の伝統的工芸品「江戸木目込人形」となります。胴体の溝に布を決め込むという作り方は、290年を経たいまも変わっていません。

参考:東京都産業労働局「東京の伝統工芸品 江戸木目込人形」


工房ひな雛は、埼玉県さいたま市の木目込み雛人形の専門工房です。人形・飾り台・屏風・雪洞・お花・小物まで、すべて自社で製作しております。

五月人形は姉妹ブランド 工房真 で承っております。

Read more

雛人形を飾る時期 工房ひな雛
六曜

雛人形と暦|大安・雨水・月遅れの言い伝え

大安に飾るべきか、雨水の日と良縁の言い伝え、4月3日に祝う月遅れの地域、一夜飾りを避ける理由。雛人形にまつわる暦の習わしを、由来までさかのぼって整理します。

もっと見る
人気のコンパクトな雛人形 工房ひな雛
コンパクト

この10年で雛人形はどう変わったか|掲載データで見る変化

2016年にこの記事で立てた「小さくなる・お顔が変わる・オリジナリティ」という3つの見立てを、10年後のいま、工房ひな雛の掲載品データで答え合わせします。変わったこと、変わらなかったこと。

もっと見る