
雛人形の木目込みとは?2分でわかる木目込み雛人形
「木目込み(きめこみ)」という言葉を聞いたことはありますか?雛人形は大きく分けて「衣装着(いしょうぎ)」と「木目込み」の2種類があります。雛人形を探し始めたばかりの方には、聞き慣れない言葉でよくわからないと感じる方も多いのではないでしょうか。
当工房は、木目込み人形の伝統工芸士が代表を務める木目込み人形の専門店です。この記事では、伝統工芸士の視点も含めて、木目込みの雛人形についてできるだけわかりやすく解説します。
1. 木目込みとは何ですか?
木目込みとは、木や桐塑(とうそ)で作った胴体に溝を彫り、衣装の端を差し込んでお人形を製作する技法のことです。桐塑とは、桐の粉末に正麸糊(しょうふのり)を混ぜて作る強度の高い粘土の一種で、この技法で作られたお人形は正式には「江戸木目込み人形」と呼ばれます。

「木目込み」という名前は、衣装の端を木の目に込む(差し込む)ことに由来します。発祥は江戸時代中期頃といわれ、京都・上賀茂神社の雑掌(ざっしょう:事務や雑務を担っていた方)が、木に布を木目込んで作った人形が始まりとされています。それが江戸に伝わり、現代まで続く伝統工芸品となりました。
2. 木目込み雛人形はどうやって作られる?——製作工程を紹介
言葉だけではイメージが湧きづらいため、当工房での製作工程を具体的にご紹介します。
①原型作り
まず粘土で原型を作ります。粘土を直接手で形作りながら、へらで細かな形をデザイン・調整します。この原型を木わくに入れて樹脂などを流し込み、型(「かま」と呼びます)を取ります。

②ぬき作業
製作した「かま」に桐塑を流し込み、生地(胴体)を製作します。型の中で固まった生地を取り出すことから「ぬき」と呼ばれます。

③彫塑
乾燥した生地表面のでこぼこをやすりで滑らかにし、ひび割れがあれば桐塑で埋める作業を繰り返し、生地全体を丁寧に補正します。

④生地完成
補正が完了した生地に胡粉(ごふん:貝殻から作る白い顔料)を塗り、衣装を差し込むための筋彫(溝入れ)を行います。

⑤木目込み作業
完成した生地に、衣装となる着物の端を木目込べらで丁寧に差し込んでいきます。生地は天然素材で少し柔らかいため、傷つけないよう細心の注意を払いながら作業を進めます。当工房の製品はすべて手作業のため、一つ一つのお人形の衣装に微妙な表情の違いが生まれます。


布の木目込みが完了したら、のり染みがないか細部まで確認し、最終仕上げを行って完成です。簡単に見える作業でも、商品としてお客様にお届けできる品質に達するには数年を要する難しい技術です。
3. 木目込み雛人形の特徴は?

木目込み雛人形の特徴は、型から生まれる独創的な造形と、型崩れしにくい丈夫さです。人形の「型」から製作し、その型に沿って衣装を木目込むため、型の形がそのままお人形に表れ、型作りをする職人の創造性が生きた製品が多くなります。また、胴体に天然素材を使った上で衣装を着せているため型崩れがしにくく、長く美しくお飾りいただけます。衣装着の雛人形に比べて小さめのものが多く、扱いやすい点も魅力です。
まとめ:コロンとした形が木目込み、ひらひらの衣装が衣装着

木目込みという言葉は、衣装を木に差し込むことに由来し、江戸時代から続く伝統工芸です。衣装着と木目込みの違いがわからないという方は、コロンとした形が木目込みの雛人形、ひらひらとした衣装の雛人形が衣装着、と覚えていただけるとわかりやすいかと思います。
当工房では、伝統工芸士が手がける木目込み雛人形を製作・販売しています。選び方のご相談も承っておりますので、お気軽にご覧ください。
→ 工房ひな雛 公式サイト(雛人形)


